仲直りのあとは、いつものようにぴったりと。
悟の傍って、とっても落ち着くんだ。心臓は常に飛び跳ねモードだけど。
「もうすぐ卒業かぁー……」
私はあと数日で高校卒業。悟と出会ってからは2年半くらい。
「当日の予定はどうなってんだ?」
「えーっとね、卒業式終わった後は仲いい子達と騒ぐかな。多分、夜中まで騒ぐと思う……」
そこまで自分で言って、気づいた。悟と会えないじゃんっ!
くるりっと悟の方を向き、袖をひしと掴む。
「ど、どうしよう!? 騒いでたら悟と会えないよ!」
悟は私の言葉に、何言ってんだこいつ、みたいな顔してる。私にとっては重大な問題なのぉー!
「そりゃ、お前……しばらく会えないはずの友達なんかと騒ぐんだろ?」
「……うん」
「じゃあ、しょうがないだろ」
「えー……悟は寂しくないの?」
ひとりだけだったのかな、って悲しくなってきた。
「は?」
悟はまたもや、何言ってんだこいつ、なんて顔してる。何よっ、寂しいなって思うのはおかしくないでしょ。
「……夜中まで騒ぐ、つったよな?」
「う、うん……」
「じゃあ、迎えに行ってやる。それで我慢な」
「へっ!? ほ、本当に?」
突然の悟からの提案に出かけていた涙もピタッと止まる。
それと同時に、悟の手が伸びてくる。手は私の頭の上で止まり、そのまま落ちてくる。
「さ、悟さん……?」
いきなりの行動にちょっとびっくり。
「いや、なんとなくこうしたかったんだよ」
悟はそう言いながら、頭を撫でながら髪に指を絡めた。
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