Double Moon
09.この木なんの木気になる木

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 私は今、草原の端に植わってる大きな大きな樹の幹に腰掛けている。
 さわさわって風が葉々を揺らし、癒しのメロディーを奏でている。
 ジュグはというと、今、お婆さんの所に呼ばれている。
 私が帰れることを祈って、宴を開いてくれるらしい。
 私も手伝いたかったな……。
 また、さわっと樹がささやく。
 その音に誘われ、上を見上げる。
 相変わらず、葉々が光をぼやかすように互いに合わさっている。
 んーっと、伸びてみる。
 気持ちいい。
 それにしても……。
「この樹、どうしてこんなに気持ちがいいのかな?」
 樹に触れているだけでひどく安心する。
 故郷にいるような、ううん、お母さんに抱っこされているような、そんな感じ。
 すごく安心する。
「ふわわ」
 なんだか、眠たくなっちゃった。
 まだまだ宴の時間までは暇があるし、ちょっとだけでも一眠り、しちゃおうかな?
 私はそのまま、誘われるように、瞳を閉じた。


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